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映画『幕末太陽傅』1957年

 投稿者:昭和のテレビっ子  投稿日:2018年 2月 3日(土)12時05分52秒
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   題名と異なり出だしは、昭和2,30年代の品川繁華街の風景。
チャンバラとチョンマゲものはどうも苦手で食指は湧かなかったが、意外な出だしと主演
がフランキー堺とあったから興味半分で見始めた。

 フランキーが演じる佐平次が大活躍するのは江戸末期、品川宿の「相模屋」遊郭だ。
遊郭の作りが丁寧で階段、廊下、中庭、そこを行き来する遊女、小僧、客達と相俟って臨
場感がある。黒澤監督並のこだわりが感じられた。モノクロだが、千と千尋の神隠しに出
てくる温泉旅館よりずっと重厚で神秘的だ。
 遊び惚けてた挙げ句、その支払いが出来ない佐平次が、下働き小僧になって遊郭のいざ
こざをその知恵と体力で次々と解決する話は、有名な古典落語からヒントを得たようだ。
その落語を聴いたことはないが、落語に負けない位のテンポの良さと暖かみと上質なユー
モアとアイロニーがみられたのではないだろうか。時代がもたらした様々の生活苦を吹き
飛ばすような力がある。めずらしく他の仕事をしないでテレビに釘付け。気が付いたら、
相模屋を抜けだし海沿いの道をすたこらさっさと次の場所を求めて走る佐平次のうしろ姿
と「完」の文字だった。

 フランキーの役者としての凄さを改めて見せつけられたのはもちろんだが、登場する役
者たちがこれまた凄い。遊女南田洋子に左幸子、貸本屋小沢昭一、女中芦川いずみ、高杉
晋作石原裕次郎、桜主金子信雄、気病みの西村晃、若衆岡田真澄、やらせ婆菅井きん、ナ
レーターは加藤武…。ただ並べただけではもちろんいい映画にはならないのだが、それぞ
れがすっかり役にはまりフランキーの渦に巻き込まれ、その渦をそれぞれの役者がどんど
ん大きくしている。
 佐平次は今もどこかでひょうひょうと時代を走り抜けて生きて居るような気がしてくる
くらいの渦のスピードと大きさと力強さだ。舞台は江戸末期、映画が上映されたのが61
年前、私が初めて目にしたのが昨日なのに、ちっとも古めかしくない。モノクロなのに、
CGもないのに、寧ろ贅沢な映像にも思えた。

 見終わった後、先日初めてお会いした方とのおしゃべりでフランキー堺、加藤武の名が
上がったことを思い出した。α個人作品集の中の牟田氏による宝塚版『幕末太陽傅』評も
思い出し読み返してしまった。テレビでこの映画を見たのは偶然だが不思議な気分だ。
 落語も宝塚も差ほど趣味ではないが、落語『居残り佐平次』とタカラジェンヌの『幕末
太陽傅』をちょっと観賞してみたくなっている。

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