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色(しき)とカラー 評の2

 投稿者:万理久利  投稿日:2013年10月13日(日)09時21分3秒
  通報 返信・引用 編集済
  放送機器類の設計開発に長年携わってきた人が書く音や色の話しは、どこか説得力がある。
もともと科学好きだから、仕事に就き、「いざその世界に入ってみると実にいろいろな概
念の世界が広がっていった」のである。知的興奮の世界であったとも著者は述べている。
光の色は30年、著者を楽しませたとも。
そこが評者がよく使う言葉「科学少年」らしいところなのだ。

色一般:
物には固有の色は無く、固有反射率があるだけ。
色は可視光の[刺激]に対する人の[反応]である。
TV:
RGB三原色を組み合わせ、同一の色(刺激)を人の目に与える信号を一つの電波に隙間に
挟み込む。さらに映像を作る側の意図でぼかしたり鋭くしたりすることも加わり、
テレビは「目眩まし、まやかしの箱」だと言う。プロだから吐ける言葉でもある。

そう言えば、味覚も聴覚も臭覚も触覚も刺激に対する反応だ。だから人は、似た味、音、
臭い肌触りを作りあげてそれを生活の場に活用している。
著者の言葉を借りれば、回りの物(自分も含めて)は「まやかし」の存在とも言える。
それでもそこに在る(ここに居る)のだ、としか言いようがない。
「まやかし」と言っても、それを構成するもろもろの物体や現象が確かに在るのだ。
それを科学的に掘り下げている世界があり、他方にはずっと以前から宗教哲学的に掘り下
げた世界、般若心経があった。

色の世界を語るこの作品は、色即是空といった世界をどこか「裏打ち」してくれるような
気がした。科学者寺田寅彦の書く作品の面白さとどこか共通するものがある。
      おわり
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